私たちからの訴え

基本診療料の大幅引き上げと医療情報・システム基盤整備体制充実加算の廃止を求める要請書

当会では、6月9日、標記の要請書を厚生労働大臣に提出しました。


2023年6月9日

厚生労働大臣
加藤 勝信 様

山口県保険医協会
会長 阿部 政則

基本診療料の大幅引き上げと
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の廃止を求める要請書

拝啓 貴職には、国民医療の向上に日夜ご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 オンライン資格確認が本年4月より原則義務とされましたが、医療現場では、資格確認や一部負担金の徴収をめぐって大いに混乱しています。システムエラーはもとより、その要因となっているのは、医療DX推進のためとして診療報酬上に位置付けられた医療情報・システム基盤整備体制充実加算にあります。
 当該加算は、患者がマイナンバーカードではなく、健康保険証で受診した場合には窓口負担が引き上がるといった「患者の差別化」が最も大きな特徴で、しかも、算定要件が複雑怪奇となっていることから、点数算定にあたり患者の理解も得られず、医療機関窓口で患者とのトラブルを引き起こしています。また、別紙様式の「初診時の標準的な問診票の項目」には、問診の域を超えた医師の裁量権に係る問題をはらんでいる上、加算の算定に際しては、医療機関が患者に対し、任意取得であるマイナンバーカードを保険証として利用するよう推奨しなければならないという前代未聞の事態となっています。
 診療報酬は、患者に十分な療養の給付を保障するための評価でなければなりません。オンライン資格確認システムのランニングコストを考えるのであれば公費で支援すればよく、診療報酬での評価など甚だ不適切と言わざるを得ません。医療DXの目的が達成されれば、加算は廃止するという常套手段の梯子外しが繰り出されることは言うに及びませんが、そもそも基本診療料の引き上げを抑えるために加算で帳尻を合わせる政策誘導は問題です。マイナンバー法等改正案は6月2日に成立しましたが、その附帯決議では、マイナンバーカードの取得を強制しないことや取得していない者に対する不当な差別的取扱いは行わないことを明記しており、これらに反する行為を医療機関に担わせる危険な仕組みとなっている当該加算は、即刻廃止すべきです。
 したがって、当会では、下記事項について強く要請するものです。何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

一、基本診療料を大幅に引き上げること。
一、医療情報・システム基盤整備体制充実加算は廃止すること。

以上